ぴちょんさんリクで「夏祭りの後」のつもりです。
コミックスの二人の喧嘩を将譲設定に置き換えると「あれって譲のヤキモチよね?(^^)」
ということで、妄想の結果↓(絵と文)
















別に、ヤキモチとかじゃない。
大体この歳になって子供じゃあるまいし、置いて行かれたなんて思ってないし
ましてや誰かを独占したかったなんても思ってない。
誰があんたのことなんか。誰があんたのことなんか。

「暇だったら一緒に行かないか?」

なんて誘ってきたのはそっちのほうなのに、友達に誘われたらホイホイ行くんだから
自分が暇じゃなくなったら俺のことはアウトオブ眼中か!
別に俺だって一緒に行く友達くらいいるさ。こっちだって暇じゃないんだ。

「何怒ってんだよ?」だって?

あんたの鈍感さと俺の心の余裕の無さ加減に苛ついてるだけだよ!!!


俺は一頻り吼えた後に、なんだかばかばかしくなってしまって
適当に切り上げて帰宅した。

祭囃子も、提灯の明かりも、賑わいも
ほんのり漂う、ソースの匂い、砂糖の甘さ、モーターが回る音
隣にいるのは、いつも同じ人だったはずなのに。

久々に人込みに揉まれたせいか、疲れがせきを切ったようにどっと来た

「ただいまー」

「・・・」

気にしない気にしない。俺は別に怒ってるわけじゃない。

「まだ拗ねてんのかよ?」
「だから拗ねてない!!!」

のん気な声に苛立ちが再発した俺の前にずいと差し出されたのは

「おみやげ。お前好きだっただろ?」

この人は・・・いつの話してるんだ・・・
「これ食べて、機嫌直せよ!」

「兄さん、あんた何考えてんだ・・・?」

「ホラ、いるのか、いらねーのか?」

「・・・」

これで、機嫌が直るとでも思ったら、大間違いだからな!!!






「ホラな。これ舐めてる時は本当機嫌良かったよなー」
「うるさいな。さっさと風呂入って来いよ」

懐かしい味がした。中のリンゴはもそもそして甘みがなくて好きじゃないけど
表面のガラス玉のような風貌がなんだか気に入っていたし

何より、俺の顔を嬉しそうに見る兄さんの顔が好きだった。

「・・・こっち見るなよ」

ニッと笑う兄の顔が


「・・・!?」


「お前、りんご飴舐めてる時の自分の顔、鏡で見たことあるか?」

あるわけない。

「食紅のせいで唇だけ妙に赤くなんのな。俺、エロくて結構それ好きだ」




言うだけ言って、風呂場に向かう背中を見ながら
あーなんで俺あんな人が好きなんだろうと
しみじみ考えてしまった自分がいた。









お粗末様でした・・・

目次/ 次→